岩、池塘、水源の稜線
荒沢岳 - 兎岳 - 丹後山
前夜、浦佐に泊まり、早朝のタクシーで登山口に着きました。

チラホラほかの登山者も登り出すなか、わたしたちも出発です。
前山から見える荒川岳。遠いなあ。

ま、歩いていさえすればそのうち着くでしょう。

今日の天気は上々です。
後発で追いついた一名と合流し、全員揃っていよいよ前グラの登りです。
なーるほど、これが前グラですね。

鎖の付いたルートがよく見えました。
いったん降りてから鎖でトラバース。

日帰りのパーティはほとんど先行しているので、わたしたちのみ。気が楽です。
背後には奥只見湖をはさんで、未丈や守門が良く見えます。
トラバースのあとは直上。足場もしっかりしているし、鎖もガッチリ。

荷物が少々重いわたしたちは、ゆっくり登りました。
陽射しが強く暑いほどです。前グラを少し下った日陰で休憩。

「あー、天国!」誰かが言いました。

吹き上げる風が気持ちよく、腰を上げるのが少々辛くなります。
頂上直下の急な岩場を乗り越していきます。

このあたりすばらしい紅葉でもう、うっとり。
荒沢岳から灰吹山、灰ノ又山へはけっこうなアップダウンがありますが、時々あらわれる草原、地塘がオアシスのようになぐさめてくれます。

稜線は風が強くなってきました。
振り返れば、荒沢岳があんなに遠くなっています。
源蔵山と巻倉山のコルに着いたのは5時半。

テントを設営し、水を汲みにいって、 テントに集結したときには暗くなっていました。

それでも、あれこれつまみやおいしそうなおかずが出てくれば、賑やかな宴が始まります。

8時消灯、4時起床 のはずでしたが盛り上がり9時5時に変更。
ひと晩中、強い雨と風でしたが、撤収のときは雨が止んでいました。

ラッキー!兎岳まで行けば尾根も広くなり安心です。

ぐっすり寝たので昨日の「残業」疲れもとれ、元気に出発です。
美しい紅葉と「天使のはしご」が後押ししてくました。
青空がひろがり、兎岳方面の紅葉がますますすてきです。
荒沢岳は遥か遠くになっていました。

えらいね、わたしたち。人の足ってすごいね。

ゆっくりだけれど、いつのまにか距離をのぼしている、、、。

なんだか稜線も人もいとおしくなります。
どっしりとした兎岳にむかって、一歩、一歩進みます。

平ガ岳への尾根がすぐ近くに見えます。

越後駒も中ノ岳も本当に近い距離です。
ナナカマドの赤い実がはっとするほど鮮やかで、思わず立ち止まってしまうのです。
兎岳へは金色の草原が続いていました。

風が吹いて草たちをいっせいにたなびかせていきます。

どう、説明したらいいんでしょう。そうね、言葉なんていらないね。

夢の中にいるような、この金色の草原に疲れも忘れてうっとりと、ゆっくりと歩きました。
次々と上がってくるメンバーたち。

それぞれの思いでこの風景を楽しんでいることでしょう。
荒沢岳と歩いてきた稜線を見たのは、ここが最後でした。

兎岳に着いてすぐに雲につかまり、雨具をつけ終わると待っていたかのように雨が降り出しました。

でもここまでくれば精神的にずっと楽になります。
雨と風の中、利根川の水源、大水上山に到着。

やったね!

「この下から最初の一滴が流れ出るのよね」

残念ながら景色はもう見えないけれど、
想像力で補うのもいいものです。
丹後山、ジャコノ峰、鉄砲平、、、。

雨は本降りになり、ブナの幹をざあざあ 雨水が伝って落ちていました。

急斜面にいじめられながらも全員無事登山口に着きました。

いいコースでした。深い谷、鋭い稜線、金色の草原。刈払いをしてく ださった地元山岳会の方々に深く感謝いたします。